【寄稿】メディアの未来を模索~対話でつなぐ、いままでとこれから~
2026年5月21日、「新聞をつかった『やさしい日本語』研究会 」Vol.11をオンラインで開催した。「『オールドメディア』と『ニューメディア』の未来」をテーマに、主催者(メディア教育協会NIEs2.0)が参加者のみなさまとともにゆるやかな対話の場を設けた。
研究会では、まず、「メディアとは何か」「伝えるとは何か」という本質的な問いから話し合いをスタートさせた。古代からのメディアの歴史を振り返ると、古くは石に刻まれたヒエログリフ(エジプト聖刻文字)から始まり、パピルス・写本・印刷された紙、そして、現代のオンラインへ、伝えるための道具は時代とともに変遷してきた。
現在は「すべてがデータになる」時代を迎えている。ただし、音楽・映像メディアや文字データなど形を変えながらも、古いものと新しいもの双方にそれぞれの良さと課題が存在している。そのことを改めて共有した。
特に話し合いの中で、個人発信の場から企業広告まで広く活用されるSNS(交流サイト)の普及に伴い、情報の「真偽」や立場の違いによる意見の対立、ショート動画に代表される「伝える効率」が話題となった。
一方、新聞に代表されるオールドメディアの役割として、綿密な裏取りや専門家への取材、賛成・反対の両論併記、誤報の訂正といった信頼性の担保についても考える契機となった。
本研究会の今後について、新聞が持つ価値や「やさしい日本語」というアプローチを大切にしつつ、これからのメディアの未来や「伝える」ことのあり方について論議し、多様な視点からメディアの未来像をともに紡ぎ出していきたい。温かみのある対話コミュニティーをじっくりと育てていこうと考えている。
井上 幸史(姫路市立英賀保小学校校長、日本新聞協会NIEアドバイザー)
[写真説明]今回の研究会の内容について、図やイラストなどで視覚的に記録する「グラフィックレコーディング」(グラレコ)で紹介します。作・井上幸史

