【取材】ベテランが伝えるNIE入門 大阪でセミナー
第85回大阪NIE(教育に新聞を)セミナー(大阪NIE推進協議会主催)が6月27日、大阪市内であり、教員ら35人が参加した。日本新聞協会のNIEアドバイザーで、同市立海老江東小学校の中島順子教諭が学年に応じたNIE実践例を紹介し「未来を生きる児童を育てるのにNIEが有効」と強調した。(メディア教育協会NIEs2.0理事 三好正文)
SNS(交流サイト)が台頭する中、児童生徒が情報の真偽を見極めたり、情報を読み解いたりする力を身につけるのに新聞活用は有効だ。セミナーでは、どうすればNIEのすそ野が広がるかを考えた。
中島教諭は長年のNIE活動にもとづいて、取り組みやすい実践例を挙げた。小学校低学年なら、新聞の写真を使って「秋さがし」「冬さがし」▽紙面から特定の文字さがし、漢字の「木」をさがす――など。児童が慣れてきたら、地域の記事を読んで意見交換したり、興味のある記事をスクラップしたりする。
中・高学年なら、児童の総合的読解力をはぐくむ多様な新聞活用法がある。中島教諭は「新聞はSDGs(国連で採択された持続可能な開発目標)とも親和性が高く、海外ニュースも入ってくる。何といっても実社会が学べ、社会で生きる力を育てる手段として、さまざまに活用できる」と話した。
「SNSばかりだとフィルターバブル(自分の好きな情報だけに囲まれる現象)に陥りやすい。新聞は世の中には違う意見があることを無意識に学べる」と伝えた。
またセミナーでは、産経新聞大阪本社の亀岡典子・客員特別記者が「伝統芸能をどう伝えるか」と題して講演した。
亀岡記者は長年、歌舞伎や文楽、能楽などを中心に取材してきた。「人間ドラマを描く日本の古典芸能は、その文学性の高さや表現のオリジナリティーから今も興行的に成り立っている稀有(けう)な存在」「映画『国宝』の歴史的ヒットがあった。今を生きる演劇として存続してほしい」と話した。
齢(よわい)を重ねて分かる古典芸能の奥深さ、上方歌舞伎と江戸歌舞伎の違い、能楽や文楽の魅力などについても触れた。
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NIEセミナーや学校での出前授業で、新聞記者が話す意義について考える。亀岡記者は幼少期に古典芸能に興味をもち、現在、その魅力を伝える報道をライフワークとしている。
なぜ、記者になったのか、何を書いてきたのか、何を世に問うているのか、働く意味は何か――。NIE活動に対して記者が貢献できることは、取材の仕方や新聞製作、メディアリテラシーを教えることだけではない。自身を語ってほしいと思う。 (三好)
[写真説明]NIE実践の効果について考えたセミナー=大阪市浪速区湊町2、産経新聞大阪本社

