世界、日本、神戸の未来を展望 神戸・流科大で市民講座

 流通科学大学(神戸市西区学園西町3)の市民講座「中内記念ネアカ塾」が9月12日、同大学であり、20~83歳の市民ら20人が参加した。メディア教育協会NIEs2.0の三好正文理事が「どうなる世界、日本、そして神戸」と題し、それぞれの未来を展望した。

 米イランの戦闘やロシアによるウクライナ侵攻など、戦争が多発する世界情勢について、三好理事はそれぞれの歴史的背景をひもとき、「歴史は韻を踏む」と指摘。米国による国際刑事裁判所(ICC)幹部への制裁に触れ、「ICCは国家を超え個人の責任を追及する最後のとりで。国際法を重んじる社会が再び訪れてほしい」と訴えた。

そして、「戦争や紛争の最大の被害者はいつも子どもだ。大国の監視を強化したい」と話した。

国内ではこの夏、熊本地震や千葉豪雨、北陸豪雨など自然災害が相次いだ。「渇水と豪雨といった極端な気象現象が温暖化が影響下にあるのは明らか」として、「どうすればいいか、あらためて個人と企業で考えたい」と力を込めた。

災害関連死を看過できない。避難所生活の改善や迅速な復旧・復興に向け、今年11月創設が予定される「防災庁」のリーダーシップに期待を寄せた。

現在、戦後最長の景気拡大が続いているという。「AI(人工知能)・半導体などの成長分野を除いて、日本全体では緩やかな回復にとどまっており、庶民は実感がないのでは。国は、物価高騰や円安、社会保障に対する不安解消に努めてほしい」と要望した。

 神戸では、三宮再整備の槌音が高い。三好理事は「大阪と違う強みを発揮し、国際観光都市を復権させたい」と強調。その上で、「神戸の各地域が有する多様な魅力をいっそう発信してほしい」「災害文化を育む仕掛けがほしい。阪神・淡路大震災の教訓を次代につなぎたい」と語った。

 超高齢社会における働き手不足についても触れた。日本の生産年齢人口(15~64歳)は2024年に約7400万人だったのが、40年には約6200万人まで減少する。働き手不足への対応について、三好理事は、自治体が「賢く縮む」道を探す▽多文化共生社会の実現を前提に、外国人労働者とAIの活用を図る――などを提言した。

[写真説明]内外の将来像を展望した市民講座=流通科学大学