楽しみながらNIE 尼崎・南武庫之荘中で教員研修
教員向けのNIE研修が7月17日、尼崎市南武庫之荘4の南武庫之荘中学校であり、同校の教員約40人が参加した。元神戸新聞記者で、メディア教育協会NIEs2.0の三好正文理事が、朝刊から一番大きな数字を探したり、新聞の写真から「夏」の俳句をよんだりするワークを紹介し、「楽しみながらNIE実践してほしい」と呼びかけた。
教育現場で新聞を活用するNIE(Newspaper In Education=教育に新聞を)。児童生徒にSNS・AI時代に情報を正しく読み解き、生きる力をはぐくんでほしい――。まず、新聞に慣れ親しんでほしいと願う。
研修で体験してもらった大きな数字を探すワーク。新聞をめくって、新聞の特長である「網羅性」」「一覧性」を実感してもらうのにぴったりだ。教員が探し当てたのは、高市政権が成長戦略で2040年度に目指す名目GDP(国内総生産)の額、1100兆円だった。
三好理事は、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻など注目を集める出来事が起こるたび、各校で、紙面から関連記事すべてを探すワークを行ってきた。ヒロシマの被爆80年、米イスラエルによるイラン攻撃のときも行った。「大きな出来事はさまざまな分野に影響を及ぼす」と話した。各面の記事探しを通じ、紙面の向こうの社会を感じてほしい。
「夏」の俳句をつくるワークは、歳時記でもある新聞の写真を使って「吟行」(ぎんこう)を疑似体験してもらう。「サッカーW杯で日本、ブラジルに惜敗」の写真から、ある教員は「笛鳴りて涙こらえる夏の空」とよんだ。
同校の中嶋勝教諭(日本新聞協会NIEアドバイザー)は長年続けている「新聞ノート」について紹介した。生徒たちが新聞各紙を読み比べ、記事の要旨や感想を書く取り組みで、「要約力と読解力が生徒の身についてきた」と話した。新聞の社説を題材に小論文の展開を考えたり、気になるニュースを発表し合ったりする時間もあった。
三好理事は自身がかかわった出前授業やNIE実践を紹介、定番の「まわしよみ新聞」「はがき新聞」の製作や、記事からビジネスプランを考える▽総選挙に合わせた模擬投票▽小規模校をつなぐ新聞製作▽ユニークなものでは、児童と一緒に考えたゆるキャラづくり――などを挙げた。
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参加された先生からは「正確性が売りの新聞から、情報の速さと天秤にかけて、何を得られるのかを知りたい」という注文や、「理科でどうNIE実践するか考えたい」という意見もいただいた。
今回のようなNIE研修が既存のワーク紹介だけでなく、Steam教育なども含めた実践例の提案、さらには、新聞のあり方を提示する場になるよう心したい。
ちなみに「夏」の俳句をつくるワークで、私は「ビーサン製造ピーク」の写真から、祇園祭に寄せて「ビーサンで見上げる鉾(ほこ)や雲の峰」とよんだ(おそまつ)。取り組みやすいNIE実践を広げることにも力を注ぎたい。(三好)
[写真説明]新聞の社説を起点に「少子高齢化による働き手不足」について話し合う参加者=尼崎市立南武庫之荘中学校

