NIE広島大会閉幕 多彩なテーマで公開授業や実践発表 分科会報告

 「NIE全国大会広島大会」は7月31日、最終日を迎え、広島国際会議場(広島市中区中島町)で公開授業や実践発表など計14の分科会が行われた。情報リテラシーの育成や地域理解、平和学習、減災などテーマは多彩で、全国から参加した教員らが熱心に聞き入る姿がみられた。広島国際学院中学校(広島県海田町曽田)の公開授業の様子を報告する。(三好正文)

 地域新聞を作って地域理解を育む

 公開授業は為重慎一教諭(46)が担当し、3年生約60人が参加した。テーマは「地域理解を育むNIE活動~新聞から今をみつめ、私たちの未来を創造、提案しよう」。地理の授業の一環として、生徒たちがグループごとに「地域新聞」を作って、広島のよさや課題を深掘りする取り組みが紹介された。

 地域新聞作りは、各グループでテーマに沿って新聞記事(デジタル版を含む)を探すところから始まる。公開授業では生徒たちが、地元の中国新聞社の記事データベースを検索しながら「なぜ、そのテーマを選んだか」「どんな記事を選んだか」「どのようにまとめるか」などを発表した。

テーマは、私立学校の授業料無償化によるメリット・デメリット▽海水温の上昇で主要ブランドのカキが大量死している問題▽伝統のまつりとまちおこし――など多岐にわたった。「強い広島カープを取り戻せ!」「全国展開するうどんチェーン店の進出相次ぐ」(広島の有名店はちからなど)をテーマにしたグループもあった。

 地元紙と全国紙を読み比べ、視点の違いを知る▽他地域と比べてみる――などにも取り組んだ。それぞれ模造紙大の用紙に記事を貼り、記事を要約したり、意見などを書き込んだりして紙面を完成させていく過程が紹介された。

 参加した岩崎美空さん(14)は「デジタル版で調べ学習するとき、検索キーワードを増やし、欲しい記事が見つかるとわくわくします」と話していた。

 公開授業後の参加者との意見交換で、為重教諭は「世の中の出来事を『自分ごと』としてとらえることが重要。そのために多くの記事と出合ってほしい」「新聞のよさは地域版にある。地域に何が起きているかを知るには新聞が一番」と強調した。作成中の新聞は今年9月に完成させ、中国新聞社主催の新聞コンクールに応募するという。「外部評価されることが、生徒の力を伸ばすことにつながる」と話した。

               ◆

 為重先生からは、昨年夏の「NIE全国大会神戸大会」に「地域理解から未来を拓くNIE実践」など2枚のポスターを出展いただいた。当時、私は大会を主管する兵庫県NIE推進協議会の事務局長で、その取り組みに強く関心をもった。今回の公開授業は「ぜひ聴講したい」と考えていたものの一つである。

次代の平和の担い手を育てる国際平和拠点であり、多様な観光地や絶品グルメでも知られる広島。それでも、人口減少や中山間地域の過疎化などの問題を抱えているのは、当法人が拠点を置く兵庫県や神戸市と同様だ。「地域新聞」作りは今後、生徒たちがさまざまな課題に向き合っていくのに有効な取り組みと感じた。

 もう一つ。阪神タイガースも低迷期を経て、今がある。カープもがんばってほしい。上から目線ですみません。(三好)

[写真説明]作成中の新聞を前に意見を交わす生徒たち=広島国際会議場