小学校教員にNIE実践講座 兵教大の研修プログラム 「3分解説」などワークを紹介

 小学校教員を対象にしたNIE(教育に新聞を)実践講座が8月19日、神戸市長田区腕塚町5の兵庫教育大学神戸キャンパスであり、元神戸新聞記者で、メディア教育協会NIEs2.0の三好正文理事が講師を務めた。兵庫県内外の小学校に勤める20~40代の教員6人に、記事の背景の「3分解説」やNIE俳句などのワークを体験してもらった。

 同大学による夏休み恒例の教員研修プログラム。NIE活動のねらいについて、三好理事は「『今を伝える』新聞を活用し、児童に社会の出来事を『自分ごと』として考えてほしい」「ものの見方や内省する姿勢は幼少期からはぐくまれる。信頼できる情報を入手し、友と語り合い、自分の意見を持ち、行動する人に育ってほしい」と話した。

 講座でおこなったワークは、「3分解説」のほか、朝刊から一番大きな数字を探す(新聞をめくる習慣を身につける)▽新聞の写真から「夏」をよむ(NIE俳句、新聞から季節の移ろいを感じる)▽新聞紙で防災スリッパを作る(読む以外の活用法)、など。兵庫県内の教員の実践例や、三好理事が出前授業でおこなっているものを紹介した。

 「3分解説」は中東危機をテーマにした。記事を端緒に生成AI(人工知能)を活用し、こちらの提示したキーワードを入れて解説する。米イランの関係では、石油利権▽パーレビ国王▽ホメイニ師▽フセイン・イラク大統領▽核開発――をキーワードにした。大人でも難しいテーマだが、まずは知ろうとする姿勢が大切だ。

 ロシアによるウクライナ侵攻から4年5カ月がたった。日本では今も1900人以上のウクライナ避難民が暮らす。こちらも、8200㌔離れた東欧の出来事と考えてほしくない――

大きな数字を探すワークは、この日の神戸新聞朝刊14版を使った。政治や行政、経済、国際関係の記事には桁違いの数字が出てくる。大谷翔平選手の年俸額では追いつかない――。ある教員は「兵庫県『起債許可団体』に」(1面)の記事中の県債残高4兆8141億円、別の教員は、その上を行く「米半導体大手がオープンAIに17兆円保証」(7面)の記事を見つけた。

 児童たちが気になる記事を選び、ワイワイと話し合いながら壁新聞をつくる「まわしよみ新聞」、はがき新聞づくり、未来新聞づくり、季節新聞づくり、年間テーマを設定してのNIE実践例なども紹介した。

 三好理事は「出前授業で記者は『新聞の読み方』『新聞社の仕事』を伝えるのではなく、『新聞・情報の読み解き方』『新聞社の仕事を含めた社会貢献のあり方』を伝えている」「すべての仕事は社会をよりよくするためにある。先生方も『なぜ、教職にあこがれ、どんな思いで教壇に立っているか』を子どもたちに語ってほしい」と呼びかけた。

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 熊本地震の発生から18日で3週間となった。

ワークでは新聞紙を使って防災スリッパを作ってもらったが、新聞紙で簡易な食器を作ることもできる、との話をした。その都度、ラップをかぶせれば何度でも使える。

いま、熊本の避難所に並ぶ段ボールベッドも簡単に組み立てられる。私がおこなってきた出前授業でも、児童たちに作ってもらったことがある。これで被災者の体調悪化が軽減され、関連死を防ぐことにつながる。31年前の阪神・淡路大震災では、死者6434人のうち921人が関連死だった。

千葉豪雨から20日で1週間になる。

アンダーパスで車が水没して亡くなった人がいる。講座では、神戸新聞時代の2004年10月、台風23号の取材のため但馬に向かった同僚記者の車がアンダーパスに入って廃車になった話をした。千葉豪雨の惨事はあまりにもつらい。

私たちにできることはまだたくさんあるし、参加された先生方に子どもたちに伝えてもらいたいこともたくさんある。(三好)

[写真説明]昨年夏の「NIE全国大会神戸大会」の公開授業や実践発表の事例も紹介した=兵庫教育大学神戸キャンパス

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